ベストなソリューションは必ず存在する
今日の東京は、清々しくてとても
気持ちが良いです。昨晩からの雨が止んで、
青空が映えています。
組織において、個人間や部門間の対立
というのは、よく目にする光景
かも知れません。
組織が最終的に目指しているところは
同じです。
組織のミッション、ビジョン、バリュー、
目的(パーパス)、哲学(フィロッソフィー)など、
色々な呼び方がありますが、
どんな言葉であっても、
抽象度の異なるゴールのことです。
組織全体のゴールは全てのその組織を
構成している人、そして、全ての部門のゴールを
包み込むようなもので作られているのですから、
各部門のゴールを目指すことが、
組織全体のゴールと相反することは
原則的にはないはずなのです。
それでも、対立が起こるのはなぜか?
人間は、心の状態が良い時は、
自分を超えて、他者の、そして組織全体にとって
何が良いのか?つまりは、組織全体のゴールが
なんであるのか?に意識を向けることができます。
なぜなら人の本質には他者のため、
広く社会のためになりたい、
という本能があるからなのです。
これは、心の状態が良く、
視野が広く、俯瞰した視点で物事を
見られている時、つまり、
認知科学の言葉で言うと、
「抽象度が高い状態」では、
上手に作動するのです。
個人間の意見の食い違いや、
部門間の対立など、
もしあるとしたら、
それは、この抽象度が下がっている
状態で起こるわけです。
認知科学では、全ての概念には
階層性があるとわかっています。
つまりは、必ず、上層概念が存在する
ということです。
個人間の対立があったとすると、
必ず双方の望みを包摂する(包み込む)
上位概念、つまり、ソリューションが
存在するということなのです。
対立がある時、大抵の場合は、
そこにネガティブな感情が作動します。
この感情が悪さをして、
抽象度の高い視点を阻害します。
抽象度が下がると、目の前のこと、
自分の利益に関わることしか
見えなくなってしまうのです。
双方のメリットになる解決策は
なんであろう?と考えるべきところ、
自分の立場を守るため、つまり、
この目の前の戦いに勝つためには、
自分はどうすべきなのだろうか?
という、戦闘モードにスイッチが入り、
どうやったら相手を負かすことが
できるか?というところに、
目的がすり替わってしまうのです。
戦っているつもりなんてないよ、
とおっしゃる方もいらっしゃるかも
知れません。
はい、これは、私たちの深層心理で
起こっており、無意識、無自覚な
ことが多いのです。
もちろん全ての人がそうではなくて、
これは人間の傾向性の話です。
ここで、視点を上げて、
なんのためにやっているんだっけ?
と、本来の目的に立ち返ることが
できれば、様々な選択肢が
見えてきます。
これが階層性のレイヤーをあがる、
つまり、抽象度をあげることなのです。
全ての概念には階層性がある、
つまり、どんな場合でも
より多くの人にとってベストな
ソリューションが存在するのです。
Diversity & Inclusionと言われますが、
なぜ多様性が大事か?
なぜ多様性を受容して取り込んでいくことが大事か?
それは、多様性があるほど、そして、
その多様性をすべて包み込もうとすれば
するほど、抽象度の階層性が必然的に
あがるのです。
ただ単に多様性だけが存在していても
意味がありません。その多様性を
すべて受け入れて上位概念を
創造しようとすること、つまり、インクルージョンに
意味があり、そこで大きな創造力が生まれるのです。
イノベーションや創造性(クリエーティビティ)は
高い視点からしか生まれません。
より多くの人にメリットが行き渡るもの、
それが、イノベーションであり、
視点が上がれば今まで見えてこなかったことが
見えて、創造力が生まれるのです。
あの人にも、この人にも、
今まで光が当たってこなかった人にも、
どうすれば恩恵を届けることができるのか?
高い目的を掲げ、掲げるだけではなくて、
常によりどころとし、立ち返り、
日々の行動の指針にすることで
より多くの人を幸せにする
イノベーションが可能になるのです。
まずは、良いか悪いかではなくて、
相手の意見を聞いてみる。
相手の意見と自分の意見が異なったとしても、
それは、意見の違いであって、
自分が否定されたのではない。
違いは、イノベーションの材料である。
そして、双方にとってベストな解が
必ず存在する。それを探すことにより、
抽象度の階段を上がっている、
つまりより多くの人を幸せにする
ソリューションへ近づいているのです。
そして、人間のもう一つの人間の脳の
特徴で言うと、「ソリューションがある」
と思えば、「ある」、「ない」と思えば、
「ない」が実現する。
「必ず、存在する。」そう信じることが
スタートかも知れませんね。
何か参考になるものがあれば
お役に立てていただければ嬉しいです。
今日もお読みいただきありがとうございました。
椎根慶子
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