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無意識のバイアスをどう活かしていくか?

今日はいっきに涼しくなり秋らしくなりました。
昨日は、今年最後の夏との予報でした。
私も急に執筆欲が湧いてきいます。
よろしければお付き合いくださいませ。
 
 
昨日の続きとなります。
多様性の真価は、個々人の多様性を受け入れて
統合されてこそ、と言うお話をしました。
それでは、どうすれば実現できるのか?
次のステップに入っていきたいと思います。
 
私たち人間にとって
自分と違う価値観や、意見、個性を
受け入れることは時に簡単なことではありません。
 
最近、無意識のバイアス(Unconscious Bias)と言う
言葉をよく耳にされる方もいるかと思います。
 
 
バイアスとは偏見、思い込みなどを意味し
少々ネガティブな響きがあるかもしれませんね。
 
私たちは生きて来た年数の数だけ
脳に蓄積された認知のパターンが存在します。
これは、自分の信念だったり、
自分にとっての真実です。
思考のパターンとも言えますね。
 
何か物事を認識したり、判断を下す時に
都度、細部まで観察して、分析してから判断を
下すのでは時間がかかります。
 
そこで、脳のエネルギーを節約するために、
頭の中に、自分の中での判断基準のパターンが
形成されていくのです。
 
 
これを認知科学では内部表現と言います。
この内部表現が外部表現を規定します。
外部表現は、行動や態度などの
アウトプットのみならず、
どんな情報を認知するか、取り入れるかという
インプットすらも規定します。
 
自分の内部表現に合わないものは
情報すらも入ってこない。
もしくは、逆に自分の信念にそぐわない、
脅威を与える異質なものとして
過剰なネガティブ反応を伴い
認知されることもあります。
 
 
絶対的な真実は存在しない。
真実は私の内部表現に応じての
真実でしかない。
見る人によって何が真実なのか異なるのです。
 
それを忘れてしまい、
自分の真実とは異なることに対して、
間違っている、
排除すべきだ、
という反応が生じるのは
人間の自己防衛機能によるものなのです。
 
 
バイアスは、この内部表現によって起こる
先入観や固定概念の作用によって
非合理性が起こることを言います。
心理学においては、認知バイアスと
呼ばれています。
 
この内側パターンである内部表現は
大半が無意識です。
先ほどこのこのパターンは省エネを
するために作られていると言いましたが、
意識的に思考することは脳のエネルギーを
使います。そこで、内部表現においては
この無意識のパターン化が進むのです。
無意識のバイアスと呼ばれるのはこのためですね。
 
 
では、どうやってバイアスに対処していけば良いのか?
無意識のパターンは、無意識状態の時は
対処できないのですが、
意識に上げれば対応可能になるのです。
 
自分の中に何か不都合な偏見がある。
それに気づいた時点ですでに、
意識下(コントロール下)にあり、
バイアスも無意識ではなくなっています。
 
意識に上がれば、そのバイアスに対して
どうするのか?自分の意思で決めることが
できます。
 
それで良い、と容認してそのままにするのか。
いや、見方を変えたいと修正するのか?
 
 
ここでとても大事になってくるのが、
ゴールです。
 
多様性を受け入れていこう。
それは何のため?
自分にとってどんな意味があるの?
それによって、自分のチームや
組織にとって何のメリットがあるの?
 
ゴール、つまり、目的や意図なしにして、
ただ、バイアスはいけないからなくそう、
というと、実行は難しくなるのです。
 
私たち人間は目的志向です。
何のため?があるから、当事者意識が湧いて、
自ら望んで取り組んでいく意欲へと
つながるのです。
 
自分の意識を変えたい。
それは、何のため?
自分のため、周りのため、組織のため。
 
 
ゴールが設定されたら、
無意識のパターンがそのゴールを起点に
変化していきます。
これまでの自分の中での判断基準、
常識とされていた内部表現が
ガラッと変化していくのです。
ゴールの力は実に壮大です。
 
意識が変われば、つまり内部表現が変われば、
入ってくる方法(インプット)も
言動(アウトプット)も変わるのです。
 
 
バイアスはあって当然。
そして脳の構造上なくなることはありません。
それでも、より自分が望むゴールの世界を
反映したものに変化させていくことはできるのです。
 
自分の心の中で沸き起こってしまった
他者への偏見や否定的な感情を
責める必要はありません。
あ、あるんだな、と気づいたら、
それをそっと、ではどのように変えて
いこうか?自分の中で意図してみてください。
 
バイアスが変わっていく。
ゴールに応じた新たな無意識のパターンが
構築されていくのです。
 
また続きを書きます。
今日もお読みいただきありがとうございます。
 
 
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